暗号通貨の販売所と取引所の違い/メリット・デメリット

暗号通貨には、証券取引所やインターバンクの様な単一の中央集権的な取引場所は存在していません。各国それぞれの業者（暗号通貨交換業者）が独自の「市場」を運営しています。

通貨の価格は発行量に対する需給で変動しているので、世界中の業者で大体同じような価格の提示が可能となっています。

それぞれの業者で暗号通貨を購入できる場所には「販売所」と「取引所」の２通りがあります。

大まかに言うと

「販売所」とは利用者と業者との間でやり取りをする場所です。利用者は業者が保有している暗号通貨を売買することになります。

それに対して、「取引所」とは利用者同士でやり取りする場所になります。暗号通貨を売りたい人と購入したい人の間で取引をする場所（競り市）で業者は値付けをして場所の提供者となります。

大きな違いとしては「手数料」の違いや「購入時の価格」の違いが挙げられます。

この記事では、気になる「販売所」と「取引所」の違いについて、それぞれ【メリット・デメリット】として解説して行きたいと思います。

販売所のメリット・デメリット

先にも書いたように「販売所」と言うのは、暗号通貨の取り扱いをしている業者が、通貨を販売している「スーパーや小売店」の様な場所の事です。

業者の「販売所」なので、売っている通貨の種類と値段は「販売所」ごとの設定となり、売買は顧客と業者との取引となります。

イメージとしては「スーパーや小売店で売っている商品を購入する」事と同じなので売買手数料は存在しません。その代わりにスプレッド（販売価格と買取価格の差額）と言う差益で利益を得ています。

よって、スプレッドの大きさには業者ごとの違いがありますが、大体売買価格の２〜３％くらいだとお考えください。

このスプレッドの金額を手数料として考えると、販売所での購入は割高と言う事になり、手数料面だけで判断するなら「取引所」の方がお得となります。

では、販売所で購入するメリットとはなんでしょう。

メリットとデメリットを比べてみましょう

販売所のメリット

・すぐに売買ができる。
取引の相手は業者になるので、業者の提示している金額で買いたい時に欲しい数量を直ぐに売買ができます。なので、相場が急騰や急落をして乱高下している時に急いで売買したい時などでも約定できる可能性が高いです。

・購入手順が簡単で分かりやすい。
提示されている金額を確認して「幾ら分」を「買う」又は「売る」を決めるだけで、「成り行き注文」「指し値注文」の様な入力項目がほとんどないので間違いが起きにくく、操作自体もシンプルで簡単なため初心者でも分かりやすく安心です。

販売所のデメリット

・販売価格
売買する価格は業者が提示する価格のみとなるので、「今の価格より○○円下がったら買いたい」と思った時に注文を入れておく「指値注文」の様な「希望する価格」での購入はできません。

・割高な価格となる可能性
提示価格には手数料があらかじめ上乗せされていたり、通貨のスプレッドの開きが大きかったりする場合があり「割高」な価格となり、取引の回数や金額によって大きな負担になる可能性が大きいです。

・購入できるのは「買い」のみ
多くの暗号通貨交換業者の提供している「販売所」では「買い（ロング）」のみの取引となり、「空売り（ショート）」での取引ができない事が多いです。

取引所のメリット・デメリット

取引所と言うのは、各業者が個々提供する暗号通貨の取引場（市場）の事です。それぞれの業者が投資家となる顧客を集めて「値付け」をして売買の「仲介」をしています。

取引所のプラットフォームには株の板情報と同じ様に「買い板」と「売り板」と言うプライスボードが表示されています。それを参考に投資家同士が、自分の売り買いしたい価格と数量を提示した際に、一致する提示があれば売買が成立します。

取引をしているのは投資家同士となり、業者はあくまで仲介者でしかありませんので、必ずしも希望する価格、数量で取引できるわけではありません。場合によっては希望数量の半分しか売買できなかったり、1円の差で取引不成立となる事もあり得ます。

また、とにかく直ぐに売買したいと言う時に利用できる「成行注文」では価格の乱高下時にはスプレッドが大きくなり意図しない金額で約定する可能性もあります。

ただ、販売所と違い予め希望価格と数量を注文しておく「指し値注文」も可能です。

そして、売買代金の一部が手数料となるのですが、手数料は売買代金の0.1％程度の業者が多く、とてもお安くなっています。

何より、「販売所」が現物の買い（ロング）のみの場合がほとんどなのに対して、「取引所」では売り（ショート）から取引ができるところが多く、下げ相場などでの取引のチャンスも取引チャンスとする事ができます。
※空売りの場合は、業者によって条件が異なりますので各業者の公式HPを確認してください。

業者によってはキャンペーンによる、特定の通貨の手数料無料など、独自のサービスを行っている場合もあります。

取引所のメリット

・販売所より有利な価格で取引できる可能性
取引所では、投資家同士での売買となり提示されている価格が販売所の様に単一ではない為、販売所より安い（高い）価格で取引できる可能性があります。
また、手数料が安く（※無料の場合もある）設定されている事が多く割安となります。
※ビットコインや一部の通貨では手数料無料の業者もあります。

・注文方法の選択が可能なため希望に近い取引ができる
販売所では業者が提示する価格のみで購入する事となりますが、取引所では希望する価格と数量を自分で設定して取引ができる「指し値注文」が可能な為「販売所で提示されている値段より安い（高い）価格で買える（売れる）可能性」があり、より自分の希望に近い価格で取り引きする事が可能となります。

・下げ相場での売り（ショート）取引ができる。
一部の暗号通貨交換業者では「証拠金」を預け入れてレバレッジ取引ができるところがあります。レバレッジ取引が可能な場合は、相場が下げているときに売りから入る「空売り」ができる場合が多いのでトレードのチャンスが多くなります。

取引所のデメリット

・取引が成立しない可能性
「指値注文」とは自分の希望する価格を指定して売買を行う方法ですが、その価格で売買が成立しない限り注文が通らないため、売買のタイミング次第ではその間にどんどん価格が上昇（下落）して行ってしまう場合もあります。

また、成行注文であればすぐに取引が成立しますが、値動きが激しい場合などは希望価格よりも高値（安値）で売買が成立する場合もあります。

・取り扱い銘柄数
取引所で扱っている通貨は販売所で扱われている銘柄に比べるととても少なく、通貨によってはどちらか一方でしか扱われていない物もあります。取り引きをする前に扱い銘柄と、取引が可能な場所は調べておいた方が良いと思います。

補足

私が調べた結果、国内の大手の業者の中には、別途手数料を徴収している所もあれば、「販売所」「取引所」のどちらを利用しても「手数料」が無料の業者もあります。その場合は、提示されている価格に既に手数料が加算されている場合もあります。

「何を」「幾らで」「どの位の数量」を取引したいのか良く考えて、手数料、スプレッドの開き値などもあらかじめ調べてから「販売所」「取引所」のどちらで取引するのかを選択することをお勧めします。

それらを考慮した上で、数多くある業者の中からどの暗号通貨交換業者を選んで利用するのか、何を基準にするのかなど重要な事をお伝えしたいと思います。

暗号通貨・暗号資産を取引するのに適している業者を選ぶには

・セキュリティの強さ＝安心度
暗号通貨や暗号資産と呼ばれる金融商品を取り扱う上で一番重要な部分はセキュリティの強さです。暗号通貨の黎明期に比べると、現在は多くの暗号通貨交換業者でセキュリティの強化が図られてきました。
とは言え、やはりハッキングや不正送金などの不安は絶えず、イタチごっこと言える一面もあります。
なので、二段階認証を取り入れているなど、キュリティ面にどれだけ力を入れているかが業者を選ぶ際の指標となり、安心して取引を行う上でとても重要な事の一つだと言えるでしょう。

・取扱い銘柄数とプラットフォームの使いやすさ
業者の扱っている通貨の銘柄の種類はさまざまです。「販売所」での取り扱い銘柄、「取引所」での取り扱い銘柄、常に新しい銘柄がローンチ（暗号通貨の取扱業者への上場）の計画がされているかなど、自分が売買したい銘柄の有無はもちろんそれ以外にも幅広い銘柄の取扱いがあるかも重要です。
また、パソコンのブラウザ、スマートフォンでのアプリ、どちらを利用するとしてもプラットフォームの表示、操作の仕方がシンプルで簡単である事も業者を選ぶ基準となります。

・サービスの種類の多さ
業者が提供するサービスは暗号資産の取引きだけではありません。海外取引所への送金や受け取り、*ステーキングの可否、暗号資産を貸し出すことのできるサービスなどもあるので、自分の投資スタイルに合わせて選択肢の多い業者を選ぶことをお勧めします。
*ステーキングとは特定の暗号通貨を保有するだけで利回りが得られる仕組みです。

上記以外にも様々なサービスや条件、キャンペーンの有無など多岐にわたる細かな違いがあるので、業者の選択に慎重になってしまうと思いますが、国内の大手の業者は金融庁への届け出もして営業許可を得ているところばかりです。
当サイトでも、初心者の方へおすすめできる業者をピックアップしておりますのでぜひ参考にして下さい。

当サイトがおすすめする国内最大手の暗号通貨交換業者

一口に【暗号通貨交換業者】と言っても多くの業者が存在しています。

当サイトでは、その中でも「会社の大きさ（財政規模）・安全性（セキュリティ）・利便性（取引のしやすさ、プラットフォームの使いやすさ）」などを考慮してお勧め出来る業者を実際に利用した上でご紹介しています。

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